SAPのライセンス体系変更(Indirect Accessに対する明確化)

SAPのライセンス体系変更が発表されました。


これまではユーザーIDベースのライセンス体系が中心で、システム間連携(Indirect Access)でRFC*1とかSOAPとかRESTとか諸々のEAIツールとか、それ以外のシステム関連とか、いろんなアクセス手段があるにもかかわらず、どこまでユーザーライセンスが必要なのか明確でなかったので、歓迎すべきことかと。


詳細は以下のJSUGのページに掲載されているのでそちらをご参照ください。

間接アクセス向けの新しいライセンス体系のお知らせ | ニュース | JSUG -JAPAN SAP USERS' GROUP-

 

ざっくりまとめると以下のような感じかと。

  • Indirect Access用のライセンス方式を新たに追加し、SAPシステム上に記録されるドキュメント(トランザクション)をベースに課金する。
    ドキュメント種類毎*2に係数があり、登録(Create)は課金対象だが、Read/Update/Deleteは課金対象外。IDOCとかもこの方式が適用されそう。
  • 従来のライセンス方式で既にSAPを利用している場合、新しいライセンスモデルに移行するか否かは、ユーザー側に選択肢がある。
  • 既存のライセンス(Named User単位)は、新しいライセンスに変更することができる。

 

従来、リアルタイムアクセスはライセンスがいるとされていた、参照系が課金対象外というのはありがたいですね。

一方IDOCなど、バッチの伝票登録系は課金対象になりそうなので要注意かと。

また、伝票系はある程度明示されてるんですが、マスタ系の取り扱いはどうなるんだろう、という疑問が。。

 

なお、本記事の記載はリリースを元にざっくり記載したもので、SAP社のの公式見解に沿ったものではありませんので、内容に誤りが有っても何ら保証できません。
くわしくはSAP社の営業さんに聞いてください。

*1:Remote Function CallというSAP独自プロトコル

*2:受注伝票、請求伝票、購買発注、サービス/メンテナンス指図。製造指図、品質管理、タイムシート、会計伝票、在庫。会計と在庫の係数が低い